キーボードのキースキャン回路を解析する
前回紹介したMIDIキーボードの製作過程を紹介していきます。
MIDIキーボードで既製品の鍵盤を使うにあたって、ケーブルの信号の仕様を知る必要があります。そこで、鍵盤の下にある基板の回路図を起こすことにしました。以下は、鍵盤を一部ばらしたところです。
メンブレン式のPCキーボードと同じつくりになっていて、押した鍵盤はシリコンのドームの力で元に戻るようになっています。各接点には基板の裏側にあるダイオードとつながっていて、一般的なキーボードスキャンの回路構成のようです。これなら使うのも簡単そうです。基板は2枚構成になっていて、基板同士はリボンケーブル(上の写真の右側ケーブル)で接続されています。
基板を取り出して、イメージスキャナにかけます。そして、回路パターンをはっきりさせるために、ペイントソフトで加工します。
ところどころ見えないところは、テスターで導通を確認しながら仕上げました。ここまでわかれば、回路図を作るのも簡単です。
Axxと表記したところがリボンケーブルの各線と対応しています。スイッチに付けた数字はMIDIのキーナンバーです。
キーボードスキャンの回路構成としては、出力側のA1,A2,A3,A4,A5,A6,A8,A10,A12,A14,A16の各ピンをGNDに1KΩ程度の抵抗器でプルダウンします。スイッチの状態を検出するには、入力側のA7,A9,A11,A13,A15,A17の各ピンを順次Highレベルにしてスキャンし、出力のLow,Highを見てやります。鍵盤からのケーブルはむき出しでは使いにくいので、先っぽに基板を付けてピンソケットで信号を取り出せるようにします。この基板にプルダウン抵抗も一緒に付けてやります。こうしておけば、Arduino等との接続が簡単になります。
回路図でA16ピンを見ると、まだ5つスイッチを付ける余裕があることから、フットペダルとか、別のスイッチを追加してやろうと思います。